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TOMIYUKI KANEKO
金子富之

巨蝗神虫(きょこうしんちゅう)
460×480㎝ 2023年制作
岩絵具、透明水彩、アクリル、ペン、箔、道祖神福水、雲肌麻紙
辟邪絵に神虫という疫鬼を喰らう異彩を放つ辟邪神が描かれています。羽と八本の足を持ち、そのモチーフは蚕です。その昔、蚕は養蚕を行う者にとってはとても大事な益虫として人々の暮らしの中に浸透していました。この神虫を新しい解釈で描いてみたいと思いました。
〝レッドアイデビル〟の異名を持つ〝ジャイアントテキサスキリギリス〟という恐ろしい容姿の昆虫が存在します。その棘と赤い眼の狂暴性は捕食者であることを如実物語ります。キリギリスやバッタなどの昆虫はその正面からの顔は意思を汲み取る事が絶対に出来ない異様な雰囲気を漂わせている様に感じます。コーランにもその蝗害の記録が残り今も人類に大きな損害をもたらすサバクトビバッタなどその威力は甚大です。
この蝗やキリギリスをベースに蚕と合わせて神虫を表現したら強い辟邪絵の印象が得られるのではないかと思いました。
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