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  山形の最上三十三観音の第七番、天台宗新福山石行寺の出来事です。本堂に続く道を歩いていると、三毛猫がこちらを誘うように招いていていました。後を付いていくと途中で止まって待っていてくれます。案内された先は動物の供養塔でした。何を意味しているのでしょうか。さらに進んで行くと発信機を付けた羚羊(カモシカ)が突然現れました。野生動物は実際に対峙すると迫力があります。羚羊は近眼のためかこちらを凝視しています。無意識に後を付いて山を登って行くと急斜面になり見失ってしまいました。

 問題はその帰り道でした。歩く気力が出ないのです。ひだる神の仕業か、山の木霊達が気を吸い取るのでしょうか。わずか100m程の道のりを30分位かけて少しずつ歩を進ませ下山しました。トレッキングなどで健康的なイメージがありますが山の恐ろしいところは気力や体力を吸い取る特性があることだと思います。

白昼夢(はくちゅうむ)

2000 岩絵具、雲肌麻紙 

90.0×65.2㎝

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