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炎の擁護者(ほのおのようごしゃ)

2009~2013 岩絵具、墨、アクリル、箔、薄美濃紙  

230×1350㎝

 100年ほど昔、シベリアのタイガで起きた謎の大爆発があります。❝ツングースミステリー❞と呼ばれ、20世紀の科学史上最大の謎と言われています。巨大な氷塊が宇宙から訪れて地上数100mで爆発したというのが一般の説ですが、付近の土壌堆積層の分析データから、およそ600年の周期で巨大な爆発を繰り返しているといいます。        

 またシベリアのヤクート族の語り部が詠い継いだ英雄叙事詩❝オロンホ❞にも大爆発の場面があります。「巨大な爆発が地平線の向こうで起きたが遊牧民たちは動揺し故郷の地を逃げ出す事はしなかった。何故ならこの爆発を引き起こした悪魔は、我々には何の害も加えず敵対部族の上で爆発し倒してくれたからだ。そこで、この悪魔を守護者とみなし、ニュルグン・ブートゥル(炎の擁護者)と呼ぶようになった」とあります。この存在を私の想像で平面に置き換えました。この叙事詩の次の展開は地下に潜んでいた大蛇が天空の炎の擁護者に戦いを挑むという物語です。天空と大地の神々の異様なエネルギーは今も語り部を通じ雄弁に物語ります。

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