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飯綱と稲荷(いずなといなり)

2005 岩絵具、透明水彩、箔、ペン、アクリル 

181.8×227.3㎝

 稲荷大明神、飯縄権現などの狐の造形やイメージは、異界の入り口に立ったかの様な神秘性を帯び、夜になると恐怖の対象でした。夕暮れ時にクワガタなどを取りに行った折、お稲荷さんの社の中を覗き、白い狐の像がヒョロッと沢山立っていて、背筋が寒くなったあの感覚は日本人の郷愁であるとも思えるぐらい誰もが経験する子供時代の思い出であると思います。

 少年時代、くもんで遅くなってしまった帰り道、自転車で林の薄暗闇を走り焦るほど怖くなり、シュロ(ヤシ科)の人毛に似た幹の繊維、謎の祠や庚申塔、馬頭観音、お稲荷さんなどが自転車のライトに不気味に浮かび上がります。当時身近に神秘がぽっかりと口を開け精神世界の広がりを見せていました。夜、狐の声を聴いてしまった者は寂しそうに耳に残って離れないという…

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